ジョン・ラッテンンベリー

美しい自然との対話
1966年イギリスに生まれたジョン・ラッテンベリー画伯は4歳の時、アメリカ合衆国でも屈指の美しい都市であるサンフランシスコ郊外の街、ノバトに家族で移住。父はサンフランシスコのクロニクルにある新聞社に定年まで勤務し、料理やお菓子作りが趣味という優しい母と、双子の兄弟ティムとともに自然豊かなこの地で育ち、現在の自らの家庭もこの街で暮らしている。

家の傍らにあったスタフォード湖という湖で幼い日々を過ごし、そこで自然に興味を持ち、そのディテールや美しさに魅了された。双子のティムや友達と一緒に、よく湖へ釣りに出かけては、魚がかかるまでの間、暖かな夏草の上に寝そべりながら、空を覆う雲の形が移りゆく様子を眺めていたり、自分や周囲の景色が、流れる水に映る様子を興味深く観察した。その他にも、風が吹くたびに大きなウィンドチャイムのようにカサカサと音をたてる木々や、空を飛ぶ鳥たち、地を這う蛇や蜥蜴、川を泳ぐ魚たちなどに触れ、この地上に生きる生物たちの目に見える全てを鉛筆と筆で表現したい衝動にかられ、絵を描き始めたのは4,5歳の頃だった。その頃は生き物に興味を持ち、動物や魚を多く描いていたという。
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