Rattenbury
ほとんど人の手が入らない北アメリカの大自然に抱かれて青春時代を過ごした
ジョン・ラッテンベリー。
まるで自然と対話するように育った彼の作品からは、
自然から受け取ったありのままのメッセージが、力強く伝わってくるかのようです。
Northern Ireland 北アイルランド

北海道とほぼ同じ大きさの北アイルランド(イギリス)。「40の緑(Forty Shades of Green)がある」と言われるほど、豊かで深い緑に覆われた丘陵地帯からなっています。暖流であるメキシコ湾流と大西洋から吹く偏西風のために、夏涼しく冬暖かい安定した気候が特徴です。最大の都市ベルファストは、アイルランドというよりはイギリスらしい雰囲気を漂わせていますが、人々は独特の訛りのある英語を話します。世界遺産に登録される奇景ジャイアンツ・コーズウェイのほか、14世紀に建てられたダンルース城、息をのむほど美しいアントリムの海岸線、アーン湖畔の初期キリスト教遺跡、歴史の町ロンドンデリーなど、ここには豊かな自然と歴史に彩られた和みの風景があります。
2006年の夏、妻の故郷である北アイルランドを家族で訪れました。緑豊かな森が多く、おとぎ話に出てくるようなかわいらしい町並みや、中世の古城が点在し、美しい自然と歴史ある文化が見事に調和した場所です。古い城の周囲には森の緑を映したエメラルドグリーンの湖があり、その湖を取り囲むようにいくつもの散歩道があります。まだ日が高く昇る前に、妻とその道を散歩しましたが、朝露を被った花が清々しい空気にそよぐ光景は息を呑むほどに美しい瞬間でした。
海に面した地域は、遠い昔から大氷河に削られ、複雑な海岸線を築いています。子供たちと世界遺産であるジャイアンツ・コーズウェイにも行きました。ここは自然の力で立方体に削られた岩が階段状に並んだ、不思議な地形の場所です。アメリカでは見ることのない、地形や自然、文化や歴史に触れることができ、多くのインスピレーションを受けた旅でした。
